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2020.02.16

ブック・オフに日が昇ってしまう

なんだか首のつけ根あたりが痛みます。ブリヂストンの橋を何度渡っても、名前が覚えられないのです。いつも通り名前を手首にくくりつけてやってきた彼女にどくだみ入りの紅茶をごちそうしてから食卓に着く。キノコはいつもそこに用意されていて、彼はそれを自分の子どものように大切に育てている。頼もしい霧に包まれた街の中は、おじさんと大学生のゲロでけぶり、そこを無数のトナカイの群れが横切っている。あなたはいつまで口紅を塗っているのか?もう出かける時間だというのに。おかしなリズムのクラクションがあなたを催促している。そんなに涙目にならなくてもよいのだ。きみはこの教室の中でいちばん良い鼻筋と肌のキメを持っているのだから。おまけにアクセサリィだってたくさん持っているし。土を食べ、野菜を愛し、料理の盛り付けが上手くなってゆく。ベレー帽に血をたぎらせ、パーティーの中の自分の居場所、その少しの隙間に熱狂し、自分はあの人なのだと、あのひとと同じ一部を持っているのだと。雨が降れば最悪だと言い、何度も金峰山のてっぺんから飛び降りる。自分がこれからどこに向かうのかというよりも、誰かがもうそれを知っていたのだから。だけどもうこれ以上血を出してはからだにさわります。今日はもう眠った方がいいでしょう。明日もはやいのだし。こわばった顔のまま現実を見ても現実しか見ることのできないミシシッピは流れつづける、ハックは今日もどこかで生活している。手紙がそちらまで届いたでしょうか?ああ、もうブック・オフに日が昇ってしまう。

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