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2019年11月

2019年11月28日 (木)

ポップ!

ポップなものが好きだ。くらい人間だからかもしれない。ちょうど秋に染まった木々の色みたいに、くらさとポップはよく似合う。まだ葉っぱがおちはじめる前、キャンパスの中とか神社の境内とかを全力で走ると、私はカラフルに染まることができる。ひとつの木の中にも、葉っぱの中にも、自分の好きな色を見つけ出すことができる。色は、キラキラと飛び散って降りかかってくる。そこでふと思い出す。私はキラキラが好きなんだった!

むかしお気に入りだった本も、服も、妄想の世界も、キラキラしていた。それはたぶん、まだモノゴトに名前がつく前の話で、たとえば、リンゴをリンゴだと認識するまではそれが鮮やかで艶めいた丸い物体に見えるように、外に出る前の段階ではなにもかもがきらめいて見える。眠る前、目を閉じると無数のキラキラがいっぱいにひろがるのも、そういうことなのかもしれない。それで、私はキラキラ生産共同組合を設立した。きれいな生活には興味がないけれど、キラキラはできるだけたくさん集めたい。

さあ、外に出てワインでも飲もう!という感じで今日はとても元気です。

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これは違反行為なのか?愛と敬意を込めて。

かいちょ

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2019年11月27日 (水)

もはや

日誌とは言えない更新頻度の低さでごめんなさい。

 

いったん実家に帰っており、きのう熊本に戻ってきた。アパートに戻ると、退去の案内が届いていた。この部屋に住むのもあと少し(のはず)。

ここ一年くらいで、この部屋は急に私の家になった。小さすぎる本棚に入りきれずに積み上げられた本、埃をかぶった白いテレビ(わたしは掃除が苦手だ)、いろんな場所から持ち帰った石ころ。壁に染みついた私の叫びと、それにひきずられるようにあらわれるたくさんの人たちの声。あの時私にとって特別だった人(それはふたつ年上の少女だったこともあったし、同級生の男の子だったこともあった。もう地上にはいない人だったこともあった)のことと、そこで過ごした時間のこと。それらはいま、たしかなものとして私の前に横たわりつつある。過ぎ去ったことはうごかないのに、光をやどしたままだ。その光は、悲しくてやさしい。すこしさみしい。二度と思い出さないことがあると気づきはじめたのはいつからだろう?失うということをいまもわたしは知りたいとおもっている。

この部屋には、私が思い出したいことが詰まっている。本の並びにも、ぐちゃぐちゃの押入れにも。それでも、私は次の場所に移動をする。部屋を出てゆくときも、短い旅行に行くような気持ちでいたい。雨はすっかり上がってしまった。もうじき12月だ。冬になる前に、どうしても思い出さねばならないことがある。

 

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大相撲をみてお酒を飲んでばかりいたので、卒論の文字数ではないものが増えてしまった。写真はストックホルムの夕暮れ。かいちょ 

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2019年11月19日 (火)

短歌シリーズ①

スカートのフォルムの中にひとすじの渡り鳥の群れ南の島へ


夜の底指でこさげば木星にまだみずうみがあったころから


富士山のふもとに思いをはせるだけまえのわたしの姿はどこに


ゆるやかに雨があがれば目をつむる忘れかけてた蝶のイメージ


秋に咲く花はうつくし摩天楼あっという間に日は沈みゆく


キャンパスを歩けばいつかは海の底シーラカンスのわたしは急ぐ

 

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2019年11月16日 (土)

メキシコシティ

時間がたってから わかることもある。

夜中、二時ごろになると

記憶の断片がつくられはじめる。

何かを慈しむように広がる青。

わたしは電信柱のように立つ。

ふと思い立って、メキシコにいるあのひとに連絡をした。

あっちはいま何時ぐらいだろうか。

自分のことでいっぱいで忘れていたのだ

どんなに忘れられても

わたしだけは決して忘れまい

と誓ったものでさえも

カンタンに忘れる

わたしだけが知っている夜

さむい部屋でひとり 缶ビールをのみながら

賢治の詩を読みふけった

これはいつかのこと

わたしがいなくなれば、だれも知らない夜になる

だけど なかったことにはならない

たしかにそこにあったのだ。

だれもが忘れてしまった場所に

花を手向けるように

なんにもないところに

手を合わせるように

夜が明けたころ、彼女から返信がくる

わたしの日常に

ふいにメキシコシティが立ちあらわれる

ケルアックがみたメキシコ

繊細で 陽気な 力づよさ

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眠りに落ちたひとをそっとしておいてほしいものだ…

かいちょ

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2019年11月14日 (木)

森のコーヒー

きのう、ある研究員がコーヒーの粉を持ってきてくれた。東南アジアの山の中でつくられたコーヒー豆らしい。彼女は、スパイスとカレーへの執着が尋常でなく、それが日々の表情や仕草にだだ洩れだ。そしてあろうことか腸のスペシャリストなのである。真夜中に、スパイスによる便秘解消法が送られてくることもしばしばだ。それも【速報】で。

 

ワタシはコーヒーに詳しいわけでは全然ないのだが、なんとなくコーヒーが好きだ。インスタントの、あの粒子が溶けていく瞬間も好きだし、たまにお店で飲んだりなんかすると、あまりの美味しさになにも言えなくなるあの瞬間もけっこう好きだ。何より、妖しげな感じがたまらない。スパイスに通ずるものを感じる。

とにかく、フィルターにお湯を注いでみる。まったく絵にならないのだが、そんなことは気にせず、なんとか一人分のコーヒーをいれる。熱いのもおかまいなしにすすると、景色が浮かんでくる。雨のあとの、樹皮の香りに満ちた森。濃い緑の中に、子どもたちが立っている。その頭上を、つやのあるおおきな葉っぱが覆う。ワタシもそっと、心のバケツを取り出す。水滴は、どこからか落ちてくるのだ。

 

ちなみに、ワタシは朝よりも、日暮れのコーヒーが好きだ。朝のもいいが、水道水を飲むことがほとんどだ。

 

急に寒くなった。植物の影もあまりにはっきりしてきた。それぞれの日暮れにそれぞれのコーヒー的な何かがありますように。風邪ひかないようにね!かいちょ 

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年をとろう 風のように軽やかに

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2019年11月10日 (日)

南の島へ

コレを更新せずにうだうだしていたら、学祭から一週間経っていました。が、私はもともと学祭についてよし!書いてやろう!などという気はこれぽっちもなかったのであります。だから、いつもどーり。


ちいさな部屋の白い壁に

世界地図がおよいでいる

南へ行くことを夢見ていた

赤道線をめっきり越えて

インドネシアの列島をまたぎ

さらに南へ行く

わたしの夢見る南の島はどこにもない

それはオーストラリアでない

それはハワイでない

それはエジプトでない ブラジルでない

わたしの夢見る南の島はどこにもない


別に、学祭で愛を伝えたいわけでも、金儲けがしたいわけでもない。理屈や理論だけでは、ぜったいにわからないことがある。それをわかろうとするために大切な感覚がたしかにある。だけど、その直感的ともいえる感覚が死んでしまっては、ある方向に向かってしか走れなくなる。その方向の先にあるものを考えるとおそろしく、ムカついていたのです。

カレーは、とても丁寧につくりました。並んでいただいたみなさま、食べていただいたみなさま、ありがとうございました。お待たせしてすみませんでした。直接お話しすることはほとんど叶わぬ夢でしたが、後ろの方から光線を放っていました。少しでも届いたでしょうか・・・?私はおそらく非情な人間ですが、だからこそ、それぞれの花にみとれることが好きです。


 

おととい、新聞の隅っこにちいさくカラーで載っていた北斎の絵を見て、動けなくなってしまった。ほぼ白黒に近い、淡い色彩の絵が、突然鮮やかに浮き上がって見えた。筆遣いに内臓を撫でられ、私はその絵になりたいと思った。

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飲んでいる最中に眠くなったひとはこれをつけなければならない。そして私はまた返事をすることのないボウイに向かって話しかけるのである…。

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